まるで誰かが表から聞いているみたいに小さい声でわたしの耳もとに囁くの。それを思い出すと不思議なんですが、またあの匂いがします。耳で聞くと鼻から匂いがする。ゴムの焼けたような、シソの葉っぱのような匂い。彼女の声を思い出すと、またその匂いがします。
1994│アクリル、カンヴァス│220×180×8cm 三鷹市美術ギャラリー蔵