葉がちぎれ、包装紙の切れ端のように道を横切り飛んでいく。思い出しているのはたぶん、アイロン掛けしているとき見つけたリンネルのさび色のしみ。蔦の小さなキツネ色の葉。どんより白い空。木々を映す水溜まり。曇り日の立ち眩み、黄ばんだ木々のずっと動かない葉は穏やかだと?ポプラは半分透きとおった葡萄のような色に見えますか?違う、あのときは秋でした。枯れ葉の匂い、いやスミレのような匂い。幸せとはこんな匂い?
2017│アクリル、カンヴァス│160×260×7cm 個人蔵