真実は尖ったものは嫌いである。だから誠実を堅持するために、角を持つものには気をつけろ。不注意に食卓の上に置いておいた小さな盆は、なにかの拍子にすべり落ち、まっぷたつに割れてしまう。わざわざ小麦をふるうために、母から借りてきた円い盆であれ、もう元に戻るわけにはいかないのだった。重力という理である。
1995│アクリル、カンヴァス│116.7×182.5×5.2cm