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photo: Risaku Suzuki
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1996
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
南天子画廊蔵
沢で見つけたが、今のところ
1996
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
南天子画廊蔵
沢で見つけたが、今のところ数えるほどしか確かめられない。僕たちは道からから逸れていき、女の子は両目を使わずに、母親の背中からそれを見つめている。ほんとうに僕たちが死にかけているのなら、自分の喉がぜいぜい音をだし、手足の先が冷たくなっていくのを感じとれるだろう。気を静めなくてはと、眠りながらふらふら歩き、腹も減らないうちから餓死する覚悟を決めている。どうやって家へたどり着けるか。まちがいない。その先に氷柱が束になって水の上におおいかぶさっている。今日はじめてその姿を見、三羽ほど、その鳴き声を聞いた。犬の遠吠えとも女の子のすすり泣きともつかぬ、あわれな弱々しいうめき声のようにも思えるのだが、この辺りにたくさんいるのだろう。踏んづけそうな所まで近寄ると、飛んで逃げる。じっと動かないでいると、おちつきを失ってぐるぐる飛びまわり、灰色のオークの木に止まった。