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photo: Risaku Suzuki
photo: Risaku Suzuki
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1997
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
個人蔵
すっかり冷えてしまった自分のコーヒーカップに目をやった。
1997
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
個人蔵
すっかり冷えてしまった自分のコーヒーカップに目をやった。ポットに残っているコーヒーを火にぶちまけ、その上に滓を落とす短い間にほんとうに次々いろいろなことが起こった。昔は眠れないときウィスキーを飲んだものだが、どうしても今はホットミルクだ。ミルクを温めてスプーンで表面の膜をすくいカップに注ぐ。冷めるのが待てなくても舌を火傷したりして、せっかくの幸せをぶち壊しにするわけにもいかない。空は灰色に変わり鳥が鳴きはじめている。こうやって僕は待って待って待ちつづけてきたものだ。それで?蓋が持ちあがって、コーヒーとその滓がポットの外に流れだす。火にかけられたコーヒーを眺めながら、アンズの缶詰をあけてブリキの皿に中身をうつす。カップにミルクを入れ、コーヒーをすこしついで冷ます。回想にふけりながらアンズの実を一個ずつ口に運んだ。眠れないとき、人はなんといろんなことを、次から次へと思いつくものだろう。これだけ疲れていれば、頭の働きにも待ったがかけられたっていいはずなのに。耳元で一匹の蚊が羽音をたてた。僕は地面に膝をついて、そこにじっとしている。そういえば、