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photo: Risaku Suzuki
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1999
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
作家蔵
前の道に生い繁った雑草を刈って車でも通れるようにするために、
1999
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
作家蔵
前の道に生い繁った雑草を刈って車でも通れるようにするために、何年も前から玄関に錆びついた草刈り鎌が立てかけてある。確かなことはひとつである。数字だけは嘘をつかぬ。未来を測るのではなく、時間を測るのである。また見たこともない、けれど今日かならず芽を出し、あるいは花を咲かすはずの植物の名まえをひとつ残らず読みあげることができるのも、手形がいつ満期になるのか書き留めている銀行家のように、小脇に抱えた楽譜にひかえているからです。その樹が育ち実をつけるのは4年後のことでしょう。まだ花も何もない形ばかりの庭の花壇をきつねは気軽に通りぬけ、淡い色どりを瞬間与えてから、かすかな痕を残していった。そこで武器はただひとつ辛抱でした。畑の雑草を取るのではなく、もっと別のことに使われるための。いったん逃げ隠れした鳥や蛇がまた戻ってきて、それどころかある日ひょっこりそばまでやってきてこちらをじっと眺めるようになるまで、狩人のように身動きひとつせずに、自分が腰かけている岩の一部となって坐りつづけていたのです。夜も昼も変わりなく囀ったのはあの鳥だけでしたね。