山の斜面を這いながらその庭に降りて行って、石榴の木の下に立った。まだそこら一面に花びらは散っていた。身動きひとつ出来ない様な静けさによって夏の真昼の静けさは冬の真夜中の静けさと似ている。一心に働けば暑さを知らぬというけれど、眼と耳に日の光を感じながら静かにしていても、ひょいと庭の畑に出て、草をむしり水をやっても、肌から吹きでる汗が風に消えていくのは変わらない。

1999アクリル、カンヴァス72.5×91×5.5cm
作家蔵

山の斜面を這いながらその庭に降りて行って、石榴の木の下に立った。まだそこら一面に花びらは散っていた。身動きひとつ出来ない様な静けさによって夏の真昼の静けさは冬の真夜中の静けさと似ている。一心に働けば暑さを知らぬというけれど、眼と耳に日の光を感じながら静かにしていても、ひょいと庭の畑に出て、草をむしり水をやっても、肌から吹きでる汗が風に消えていくのは変わらない。

1999アクリル、カンヴァス72.5×91×5.5cm
作家蔵