中庭に春は閉じ籠もり、他の風景から訣別してしまっているようでした。だから箱型の植木鉢よりも、窓の外の手摺に掛けた鳥籠の方が、わたしたちの目の合図になったのです。嘴はまだ青いくせに一人前の口をきく子どもたちは、水浴び用の器があるのに綺麗な飲み水の中でだけ水浴びをする小鳥から教わったのです。
1994│アクリル、カンヴァス│91×72.5×5.5cm 個人蔵