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2005
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
個人蔵
この方角がわたしにとっては、いつとはなしに生きる方角になっていたというわけだ
2005
│
アクリル、カンヴァス(
2
枚組)
個人蔵
この方角がわたしにとっては、いつとはなしに生きる方角になっていたというわけだ(ぼくらが近づくと消えてなくなる水!)。衰弱していたので海までは出られない。わずかに見える地平線、光線の具合か、砂漠に反射するまぶしい光がほくらの目を灼く。わずか一滴でも砂の底から草の芽を、緑の火花を誘い出す水。その残してきたすべてを飲み干す。北へ向って五時間歩いたら景色が変った。なにしろできるだけ遠くまで行き(ぼくらは大股に! 歩いた)何もみつからなかったら日没までに戻らなければならない。真昼に消えて夜にはまた生れるあの雲の、日中のさいごに残る積雲の影。そのひとつひとつが、水の動きと水の深さをそなえた森の茂みをあらたに作り出すのだ。見わたすかぎり忙しなく。